偽夫

69冊目の書籍、『偽夫』です。読み方はぎふです。はい、つまり『義父』『偽父』に続くスピンオフです。
『偽父』で脇役だった獅王がヒーローの物語になります。
まあ、昨年ものすごいスランプでプロットを準備してもまったく原稿が書けない日々が続いていた（正しくは書いても気に入らなくて消すからさっぱりすすまない笑）わけですが、なんとか今年になって仕上げることができまして、ようやくご案内できます。ありがとうございます、ありがとうございます！！

ちなみに『偽夫』の発売月は、デビューからちょうど10周年の月でもあります。
2011年6月に初めて自著が発売されました。あれから10年、ここまで物書きを続けてこられたのは読んでくださる読者の皆さまと、ステキなイラストレーターさまたち、そしてわりとすぐに折れるくじける書けなくなる麻生を見捨てずにいてくださった各社編集さまたち、そしてかかわってくださったすべての皆さまのおかげです。

†　†　†

さて、『偽夫』は『偽父』の少しあと、同じ年のお話となっています。なので、作中でヒーローが大地さんの結婚式のためハワイに行ったりします。
ここまでギフシリーズではけっこうな年の差恋愛を描いてきましたが、今回はそこまででもないかな。3歳差のカップルを書くのが久しぶりすぎて、なんだか緊張します。
お話の作りとしてもちょっとこう、前半部分はひたすら現在と過去が交錯する感じになっています。読みにくかったら申し訳ないです。どうしても、そう書きたかったのです！
それにしても、意図したわけではないのですがギフシリーズのヒロインたちはみんな両親亡くなってるんですね。そのぶん、結婚相手に幸せにしてもらってほしいです。
今回は獅王がんばれ！だいたいきみにかかってる！

ヒロインの環奈に関して。
環奈は人物像をひと言でうまく表現できない感じの子です。ある種、心を閉ざしたところのある子ですが、見た目からはそれがわかりません。深いところで扉を閉めている彼女の心を、獅王がじっくりと優しく開いていく感じが……書けていたらいいな！

あとがきにも書きましたが、今回は公式サイトでweb番外編が公開予定です。
文庫30ページ分くらい書きました。3本立てのSS集です。本編で書ききれなかった那王くんのこと、ミツカさんと櫻井くんのこと、そして獅王と環奈と吾輩（猫）の3編です。
会員登録のみで無料で読めます。お気軽にどうぞ！

†　†　†

ちなみにスピンオフですので、『偽父』の大地さん&心花ちゃんがちらっと出てきます。ちらっとねー。
『義父』『偽父』を読んでいなくても読める作りになっていると思いますので、シリーズ未読の方もよろしければお手にとってくださいませ
そういえば、3作品全部に共通して登場しているのは大地さんだけです。
たぶん今のところ人生で唯一書いたアラフィフヒーローなので、わたしの中でもインパクトが強くてついついいろんなところに出してしまうというか（笑）

†　†　†

イラストは、今回も逆月酒乱先生にお世話になりました。
濡れ男子が大好物で、あまりに破壊力のある獅王のカバーイラストに卒倒しそうです。
このイラストがあったからこそ、『偽夫』があります。これは間違いないです！
『偽父』を書いていたときに、「あー、酒乱先生のツーブロ男子見たいわー絶対見たいーていうか見たいなら書けばいいじゃん！」と気づいて獅王が生まれ、今回メインを張ってくれています。
獅王は刺青のない人なんですが、そのぶんけっこうな傷あとがあります。ぜひ皆さま、ご覧になっていただきたい……！

しばらく刊行ないと思ったら、連続で刊行になってしまいすみません。どうぞよろしくお願いします！

↓前作。獅王がちょいちょい出てます。恋人以外に見せる彼の顔に興味を持ったらぜひー

↓さらに前作。読むといっそうギフシリーズの登場人物がわかるようになります